2021年度医学部受験のための「アドミッションポリシー」について
- 2020.07.10
- 医学部受験情報
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なぜ医学部受験生にとってアドミッションポリシーが必要か
医学部受験の際に決めることとして、どの大学を受験するかがあります。判断する基準はさまざまありますが、その一つにどんな大学かを知ることがあげられます。偏差値や難易度、受験科目、配点等に加えて、将来自分が医学を学び研修先、就職先としていきたくなるのか判断する材料となるのがアドミッションポリシーです。
アドミッションポリシーはすべての大学で入試ガイドやウェッブサイトで公表されています。また加えてカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーも必ず記載されています。
アドミッションポリシー導入の経緯
現行学習指導要領では、国際化、情報化社会において主体的に社会とかかわり未来を自ら切り開く力を持った生徒を育てるため新しい学力観が示されました。
①知識・技能の習得
②思考力・判断力・表現力等の能力
③主体的に学習に取り組む態度
従来までの大学入試では①を試されていましたが、今年度からの共通テストでは②の要素が加わります。また2024年度(現在の中学校3年生)の入試からは、2022年度に高校の新指導要領が変更されるのに伴って大きな入試改革が予定されています。その際は主体性評価を含めた③を軸とした大学入試となります。
こうした高校、大学入試の改革に合わせて大学も質的に転換することを目的に具体的にその内容を明示することが求められました。
その一つがアドミッションポリシーと言われるものです。
アドミッションポリシーとは
文部科学省によるとアドミッションポリシーとは
「各大学,学部・学科等の教育理念,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※についてどのような成果を求めるか)を示すもの。
※①知識・技能,②思考力・判断力・表現力等の能力,③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」
と説明されています。
➡「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマポリシー)、「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラムポリシー)、及び「入学者受け入れの方針」(アドミッションポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン
(平成28年3月31日 中央教育審議会大学分科会大学教育部会)
この説明に従って医学部の入試要項は作成されています。2021年度医学部入試においても獨協医科大学、日本大学、東海大学において「主体性評価」が必要となりました。今後は医学部入試でも2024年度の入試改革を待たずに主体性評価を図る大学が増えてくるものと思われます。
*主体性評価に関する記事
医学部受験向けて
一般的に大学入試では就職実績に向けていかに社会で活躍できる優秀な学生を入学させるかという視点がありますが(大社接続)、医学部入試に関しては企業や公務員の就職実績ではなく自大学にある程度残ってもらうことを見越して選抜をおこなう傾向にあります。つまり就職試験のような側面が医学部受験にはあります。就職試験に際して他学部の学生は、志望する企業の研究を徹底しておこないます。それと同じことを医学部受験に際しても面接などで求められます。その際志望大学を知るうえで最も基本になるのが、「アドミッションポリシー」です。大学の沿革や建学の精神、理念と同様、アドミッションポリシーをしっかりと熟読して「身に着けた」うえで受験に臨みましょう。大学のことを知れば知るほどその大学に進学したい気持ちも高まります。
参考リンク
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